お疲れ様です。
今回はヒルナンデスで予告映像に登場したトラのような彫刻が施された下駄が、創業107年を誇る辻屋本店さんが非売品として70年も守り続けている(看板としての機能性も果たしている)
鎌倉彫りの桐下駄と判明したので、何故プレミアム品なのか番組で紹介されたことも含めてまとめてみました。
1.東京彫りとも呼ばれていた鎌倉彫り
(1は放送前に投稿した内容です。ヒルナンデスで紹介された内容は2からになります。)
ヒルナンデスの予告映像にあった下駄にとてもよく似た年季の入った下駄を紹介しているサイト様を発見し拝見しました。
かつて桐の柾目(まさめ)が見えるこの彫り方を「東京彫り」と呼ばれていたそうです。
柾目とは木材をその中心に向かう方向(半径方向)で縦断したときの面のこと。多くは年輪が平行な木目として現れます。それに対して年輪の模様が山形や渦巻き模様になるのが「板目(いため)」で、柾目よりたくさん取れるので安価ですが、狂いが生じやすい欠点があります。(上記のサイト様より引用)
2.何故もう作れないのか?
唐獅子などの図案は細かい振り込みが必要で、さらに桐は他の木材と比べて柔らかい材質なため、職人に高い技術が必要であること。
しかし、職人も減少していて細かい図案を掘れる人が少ない。
さらに年輪が等間隔である会津の桐は滅多に手に入らない(むしろゼロに等しい。)ため、テレビで紹介された同じものを作ることができないのが真相でした。
3.本当に作れないのか?
技術なら鎌倉に残っていると言われている通り、鎌倉彫 陽雅堂さんが「鎌倉彫桐下駄 柾目生かし」として再現・復活させており、漆を塗った下駄だけでなく、白木を生かした下駄も作成・販売しています。
今後、私達消費者が今回の下駄を買う機会が増えればその分、数少ない職人さんでも、下駄の彫刻に携わる回数が増え、技術もさらに高まっていけば、より細かな素晴らしい彫刻が施された鎌倉彫りの下駄が出来上がると考えます。
木材は自然のものなので仕方ないですが、もしかしたら何かの縁で会津に負けない桐が見つかるかもしれません。
【柾目生かし】
桐下駄には板目(いため)と柾目(まさめ)とがあり、裁断する方向により、採り分が少ない柾目は希少価値が高く、白木下駄も柾目は高価なものでした。天然の桐財を使用する為、節や木目の色差などを隠す目的に、彫刻を施し、漆を塗り、柾目を生かすことから【鎌倉彫桐下駄 柾目生かし】は生まれました。
1970年代に当店では数多く製作・販売をして参りましたが、職人の減少により、近年では取り扱いがありませんでした。鎌倉彫陽雅堂ではこのほど30年ぶりに、当時の製作工程を忠実に再現し、復活致しました。
価格は23800円と高価ですが、白木独特の汚れが付きにくいよう磨きを施してあります。
男性用は「鎌倉彫 日光 柾目生かし」のシリーズで販売されています。
女性用の下駄は「鎌倉彫 芳町 柾目生かし」のシリーズで販売されており、16800円にて取り扱いがあります。しかし、男性用と違い龍や般若などのデザインはないです。
3.取り扱い店舗・通販
鎌倉彫 陽雅堂
〒248-0005 神奈川県鎌倉市雪ノ下1丁目8−30
JR鎌倉駅東口又は江ノ電鎌倉駅よりバスで八幡宮(鎌倉市)まで3分、バス停から徒歩10分。
お店の近くには鶴岡八幡宮があります。
通販サイト
「鎌倉彫 陽雅堂」公式オンラインショップサイト:
(編集中)
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